家づくりを考え始めてから、建築会社を選ぶという作業が、想像以上に“自分たちの価値観と向き合う時間”だと感じている。
雑誌やネットで情報を集めていると、どの会社も魅力的に見え、性能やデザインの言葉がずらりと並ぶ。
でも実際に話を聞いてみると、会社ごとに家づくりの考え方も、得意とするデザインも、提案の視点もまったく違うことに気づかされた。
最初に印象に残ったのは、担当者の話し方や姿勢だった。
こちらが漠然としたイメージしか持っていなくても、丁寧に聞き出して整理してくれる人はやはり安心感がある。
逆に、こちらの不安より先に「うちならできますよ!」と押し気味に勧めてくるタイプには、少し距離を置きたくなってしまう。
家づくりは長く続く付き合い。信頼できる相手かどうかは、自分の直感も大事にしたい。
また、見積りの説明を受けていると、価格の差には必ず理由があることがよく分かる。
断熱性能、耐震性、設備のグレード、標準仕様の範囲…。
最初は専門用語の多さに戸惑ったが、こちらが理解しやすい言葉に言い換えて説明してくれる会社は、やはり誠実さを感じる。
高ければいい、安ければいいという話ではなく、「何に価値を置くか」で判断が変わるのだと実感した。
さらにモデルハウスや実際の建築現場を見ると、会社の“家づくりの姿勢”がよりはっきりする。
細かいところまで丁寧に仕上げている会社は、やはり住んだ後の安心感が違う気がする。
写真だけでは分からない空気感や、暮らしの想像がどれほど膨らむかも大切な判断基準になった。
まだ最終決定には至っていないけれど、建築会社選びは“正解探し”ではなく“自分たちらしい暮らしを実現してくれるパートナー探し”なのだと思う。
比べれば比べるほど迷うけれど、立ち止まりながら丁寧に選ぶこの時間自体が、家づくりの大切なプロセスなのかもしれない。
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