物件の内見は、写真や間取り図だけでは想像できなかった“暮らしの実感”が得られる大切な時間だとつくづく思う。
最初は「広さは十分かな」「日当たりはどうだろう」と、どこを見ればいいのか手探り状態だったが、回数を重ねるうちに、自分たちなりの“チェックポイント”が見えてきた。
内見でまず感じるのは、部屋に入った瞬間の空気。
広さよりも、そこに立ったときの居心地が自分に合うかどうかが意外と大きい。
窓から入る光の向きや、家全体の温度のムラ、外の音の聞こえ方…。
数字では表せない部分ほど、実際に立ってみないと分からないものだと実感する。
キッチンや水回りを見ていると、生活動線のイメージが自然と浮かんでくる。
料理中に子どもの様子が見えるか、洗濯の動線がスムーズか、収納は足りそうか。
普段の生活を思い描きながら見ていくと、良いところだけでなく小さな違和感にも気づきやすい。
営業さんは「その違和感こそ大事ですよ」と言ってくれるので、遠慮せず率直に感じたことを伝えるようにしている。
内見で印象深いのは、家そのものよりも“周辺の雰囲気”が気持ちに影響すること。
敷地の前の道が狭いと車の出入りが不安になるし、近くに公園があると子どもの姿が自然と想像できる。
空気の匂いや静けさ、歩いている人の雰囲気まで、実際にその街を歩いてみることで見えてくる。
また、内見を続けていると、自分たちが当初思っていた「譲れない条件」が、実はそこまで重要ではないことにも気づいたりする。
逆に、予想していなかったポイントが大きな決め手になることもある。
家探しには正解がなく、「この家で暮らしたい」という気持ちが自然に湧くかどうかが最終的には一番大きいのかもしれない。
物件内見は、自分たちの価値観が少しずつ形になっていく過程。
見るたびに発見があり、迷いも増えるけれど、その迷いこそが家づくりの大事なプロセスだと感じる。
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