土地の購入申込み前に確認すること|申込書の条件・申込金・担当者への質問リスト

気になる土地が見つかり、担当者から「購入申込書を出しますか?」と聞かれた。まだ分からないことがあるのに、ほかにも検討している人がいると聞くと、急いだほうがいい気もする。土地の購入申込みは、迷いやすい場面です。

結論からお伝えすると、購入申込書を出しただけで売買契約が成立したと扱われることは、通常はありません。ただし申込書は、契約条件の出発点になる書面です。書面の文言や交渉の進み方によっては軽く扱えないこともあるため、出す前に次の3つをそろえておくと判断しやすくなります。

  1. 申込みの扱い:申込書がどんな位置づけの書面か、お金を預ける場合に誰がどの名目で受け取るのか、取りやめる場合はどうなるのか
  2. 申込書に書く条件:価格・契約予定日・引き渡しの時期と、住宅ローンや測量・解体など、自分たちが希望する条件
  3. 購入判断を左右することの確認状況:希望の家が建つか、道路や権利関係に大きな問題がないか、追加費用が総予算に収まるか。まだ分からないことは、誰が、いつまでに確認するのか

筆者は不動産会社で実務に携わっており、2022年には自分でも土地を探して注文住宅を建てました。この記事は、土地探しの流れのうち「購入申込みを出すかどうかを決める場面」を詳しく扱います。土地探し全体の順番は、注文住宅の土地探しの流れ|確認する順番と購入前のチェックポイントで整理しています。

目次

購入申込みと売買契約は何が違う?

購入申込みは、買いたいという意思と希望する条件を、不動産会社を通じて売主側に伝える手続きです。「購入申込書」「買付証明書」などの書面で行うことが多く、書式は会社や取引によって異なります。

売買契約は、代金・引き渡しの時期・解除の条件などについて売主と買主が合意するものです。不動産の売買では契約書を作成して締結するのが一般的で、紙の契約書に署名・押印する方法のほか、電子契約で締結する場合もあります。不動産会社が関わる取引では、契約の内容を記載した書面が交付され、相手方の承諾があれば電子メールなどの電磁的方法で提供されることもあります(宅地建物取引業法第37条)。

項目購入申込み売買契約
主な書面購入申込書・買付証明書など(書式は取引ごとに異なる)売買契約書(紙のほか、電子契約の場合もある)
役割購入の意思と希望条件を伝え、条件の調整を始める代金・期日・解除の条件などを合意して確定させる
お金求められないことも、申込金(預り金)を求められることもある手付金を支払うのが一般的
契約の成立と、やめるとき申込書を出しただけでは、通常は契約成立と扱われない。ただし書面の文言・合意の内容・交渉の経緯によって判断が変わることがある手付解除・ローン特約・違約などの条項に沿う

契約書の条項の読み方は、売買契約書の確認ポイント|手付金・ローン特約・解除条件の読み方と質問例で解説しています。

申込書を出しただけでは、通常は契約成立と扱われない

民法では、契約は、申込みに対して相手方が承諾したときに成立し、法令に特別の定めがある場合を除いて、書面の作成などの方式は必要ないとされています(民法第522条)。国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(令和8年4月1日施行版)でも、売買契約の締結は民法上は口頭でも可能であると説明されています。

それでも不動産の売買では、価格のほかに決める条件が多いため、申込みのあとに条件を詰め、契約書を交わして契約に至るのが通常の流れです。一般に、買付証明書を出しただけでは売買契約は成立していないと考えられており、そう判断した裁判例もあります(大阪高裁平成2年4月26日判決。買付証明書は、記載した条件で確定的に買い受ける申込みではなく、将来買い受ける希望を示すものにすぎないとされた事案です。全日本不動産協会「買付証明書の法的性格」)。

「申込みだから契約前」と一律には決められない

一方で、契約書に署名・押印していなければ、どんな場合でも契約が成立しないというわけではありません。契約が成立したかどうかは、書面の題名ではなく、何について、どこまで合意していたか、その後どのように交渉が進んだかによって判断されます。

申込書を出す前に、「売主の承諾をもって契約が成立する」「この申込みは撤回できない」といった趣旨の文言がないかを読んでおきます。そうした文言がある場合や、意味が分からない場合は、出す前に担当者に説明を求めてください。

また、裁判例の中には、契約書の作成や代金決済の段取り、地鎮祭の日取りまで確認されたあとで一方が契約を拒んだ事案で、損害賠償が認められたものがあります(福岡高裁平成7年6月29日判決。前掲の全日本不動産協会の資料)。交渉がかなり進んだ段階の個別の事案で、申込みを取りやめれば損害賠償が生じるという意味ではありません。ただ、申込みのあとに交渉が進むほど、取りやめるときの説明や調整は重くなります。申込みの前に分かることは、申込みの前に確かめておくのが無理のない進め方です。

申込書が売主側に渡ったあとの流れ

仲介(媒介)の取引では、申込書は担当者を通じて売主に届きます。売主から専任で売却の依頼を受けている不動産会社は、購入申込書などの文書による申込みがあれば、売主の希望条件を満たさない申込みであっても、売主に遅滞なく報告することとされています(国土交通省の標準媒介契約約款の運用。前掲の「解釈・運用の考え方」)。

実務では、申込書の内容をもとに売主と価格や引き渡しの時期を相談し、条件がまとまれば契約日を決める流れが一般的です。どの申込みと話を進めるかは、売主が判断します。申込書に書かなかった条件を契約の直前になって加えると、売主から見ると前提が変わるため、調整に時間がかかったり、条件がまとまらなかったりすることがあります。

申込みの前に、確認状況をそろえる

購入判断を左右することは、契約後に先送りしない

申込みの前に、すべての資料がそろっている必要はありません。ただし、次の3つは購入するかどうかそのものを左右するため、確認を契約後に先送りしないようにします。

  • 希望する建築ができるか:希望の広さの家と駐車スペースが入るか。建築条件の有無も含めて確認する
  • 道路や権利関係に重大な問題がないか:建築基準法上の道路に接しているか、所有者や抵当権、私道の権利などに問題がないか
  • 追加費用が総予算に収まるか:造成・引き込み・解体・測量・地盤改良などの費用で、土地と建物の総額が上限に収まる見込みか

これらが申込みの時点で分からなくても、申込み自体はできます。ただ、契約予定日までに確認が間に合わない場合は、契約日程の調整を相談するか、見送ることも選択肢です。契約書の特約で扱う方法もありますが、どんな特約を入れられるかは売主との合意によります。「特約で何とかなる」と考えて確認を後回しにしないことが大切です。

ただし、地盤改良のように、調査の時期によっては契約の前に金額が確定しない費用もあります。その場合は、未確定であることを把握したうえで、見積の前提(どのような調査結果を想定した金額か)、予算にどれだけ余裕があるか、想定を超えたときにどうするかを検討しておきます。すべての費用を契約前に確定させる必要はありませんが、確定しない費用を無条件に後回しにすることも避けます。

また、擁壁や排水、駐車スペースの造成など、建てられるかどうかや総予算に影響する工事は、外構や付帯工事として扱われるものでも先に確認します。一方、内装の仕上げや色など、購入判断や予算への影響が小さいものは、契約後に決められる場合があります。何を先に確かめ、何を後で決めるかを分けておくと、限られた日程の中で確認の優先順位をつけやすくなります。

確認事項・資料・確認する時期の目安

次の表は、一般的な進め方の目安です。取引によって、確認できる時期や順番は変わります。

確認事項主な資料・確認先確認する時期の目安
価格・面積・法令上の制限・取引態様販売図面/不動産会社申込みの前
所有者、抵当権などの権利登記事項証明書/不動産会社・法務局申込みの前(取り寄せ中なら、いつ確認できるかを聞く)
土地のおおよその位置や形、隣地・道路との関係公図/不動産会社・法務局申込みの前
測量した面積と境界の位置地積測量図(備え付けがある場合)・現地の境界標/不動産会社申込みの前に現状を確認。引き渡しまでの扱いは契約の前に
道路の種類と接道役所の道路の資料/不動産会社・役所の窓口申込みの前に概要、契約の前に詳細
上下水道・ガスの引き込み配管の資料/不動産会社・水道などの窓口申込みの前に概要、契約の前に詳細
高低差・擁壁現地・資料/不動産会社・住宅会社申込みの前
災害の想定ハザードマップ/自治体申込みの前
建築条件の有無販売図面/不動産会社申込みの前
希望の家と駐車スペースが入るか配置の案/住宅会社申込みの前が望ましい。遅くとも契約の前
土地代以外の費用資金計画表・見積/不動産会社・住宅会社申込みの前に、概算と金額が決まる時期
住宅ローンの見通し事前審査など/金融機関申込みの前か、申込みと並行して
売主側の予定(引き渡しの時期、測量・解体の予定)担当者を通じて売主側に確認申込みの前

登記事項証明書、公図、地積測量図は、どれも法務局で取得できる資料ですが、分かることが違います。登記事項証明書は所有者や抵当権などの権利、公図は土地のおおよその位置や形、地積測量図は測量した面積と境界の位置を確認する資料です。公図は図面によって精度が異なるため、境界や面積は地積測量図や現地の境界標とあわせて確認します。

項目ごとの確かめ方は、次の記事で解説しています。

資料では分からない「売主側の事情」

販売図面や登記の資料で分かるのは、そこに書かれていることだけです。売主がいつまでに引き渡したいのか、価格の相談に応じる余地があるのか、ほかに話が進んでいる人がいるのかといった売主側の事情は、資料には書かれていません。

こうした点は担当者を通じて聞くことになり、回答も「現時点では」という前提つきになることが多くあります。売主側の事情は、申込書に書く価格・引き渡しの時期・契約予定日を決める材料になるため、申込みの前に聞いておきます。

申込書に書く条件と、提出前に確認すること

申込書に書かれることが多い項目

書式は会社によって異なりますが、次のような項目が並ぶことが多くあります。

  • 物件の表示(所在地・面積など)
  • 購入希望価格
  • 手付金の予定額と、代金の支払い方法(住宅ローンを利用するか)
  • 契約の予定日と、引き渡しの希望時期
  • 購入の条件
  • 申込みの有効期限

提出の前に、空欄のまま出す項目や、担当者が代わりに書き込んだ項目がないかを確認し、控え(コピーや写真)を手元に残しておきます。

希望条件は書いておく。ただし、書いただけでは合意にならない

自分たちが希望する条件は、申込みの段階で書き出しておきます。たとえば、次のような条件です。

  • 住宅ローンを利用する場合は、ローン特約(融資の承認が得られなかったときに契約を解除できる取り決め)を付けたいこと
  • 境界の明示や測量を、誰が、引き渡しまでに行うか
  • 古い建物やブロック塀などがある場合は、解体・撤去を誰が行うか
  • 引き渡しの希望時期
  • 住宅会社に配置を確認してもらってから契約したいこと

申込書に希望条件を書いただけでは、売主との合意が成立したとは限りません。売主が受け入れた条件については、あとの食い違いを避けるため、契約書の条項や特約に正しく反映されているかを確認します。また、申込書に書いたことを理由に、契約後の解除が当然に認められるわけでもありません。

それでも、申込みの段階で伝えておけば、受け入れられない条件があることを契約の前に知り、そのうえで進むかどうかを判断できます。

価格の相談を書く場合

売出価格より低い価格を書く場合は、その理由を担当者に伝えておくと、売主への説明がしやすくなります。たとえば、確認の結果によって追加の工事費がかかる見込みがある、といった具体的な理由です。価格の相談ができるかどうかの考え方は、不動産会社の選び方|家や土地を買うときの相談先と担当者との付き合い方の「価格や条件の相談はできるのか」で整理しています。

有効期限と、期限内に取りやめる場合の扱いを確認する

申込書に有効期限の欄がある場合は、期限の意味、売主から回答がある予定日、期限内に取りやめる場合の扱いを、申込書の文言とあわせて提出の前に担当者に確認しておきます。

申込金を求められたときに確認すること

申込みの際に、申込金(申込証拠金、預り金と呼ばれることもあります)を求められることがあります。申込金は契約の前に預けるお金で、契約のときに支払う手付金とは別のものです。額が法律で決まっているものではなく、求められない取引もあります。

誰が受け取るのかで、確認することが変わる

申込みを撤回したときの扱いは、お金を受け取る人が宅地建物取引業者(不動産会社)に当たるかどうかで、考え方が変わります。

お金を受け取る人宅地建物取引業者に当たるか契約前に申込みを撤回したとき
仲介(媒介)をしている不動産会社当たる受け取った預り金の返還を拒むことは禁じられている
売主である不動産会社当たる同上
宅地建物取引業者ではない売主当たらない上の規定の対象外。書面の内容と個別の事情による

宅地建物取引業法は、宅地建物取引業者とその代理人・従業者に対し、申込みの撤回を妨げることに関する一定の行為を禁じています(宅地建物取引業法第47条の2第3項)。その一つが、相手方が契約の申込みを撤回するときに、すでに受け取った預り金の返還を拒むことです(宅地建物取引業法施行規則第16条の11第2号)。

前掲の国土交通省の「解釈・運用の考え方」では、この規定は申込証拠金その他の預り金について返還を拒むことを禁じるもので、手付として受け取っていないのに「預り金は手付になっているので返還できない」と主張することなどがこれに当たり、預り金はいかなる理由があっても一旦返還すべきという趣旨だと説明されています。

宅地建物取引業者ではない売主に直接お金を預けるよう求められた場合は、この規定の対象にはなりません。預ける前に、なぜ売主に直接預けるのか、撤回したときにどう扱われるのかを担当者に確認してください。

名目、契約の成立、預けたお金を何に充てるか

  • 名目:申込金、申込証拠金、預り金など、呼び方が違っても、契約の前に預けたお金であることに変わりはありません。埼玉県の案内でも、名称を問わず返還しなければならないと説明されています(埼玉県「宅地建物取引に関するよくある質問(契約)」。令和3年12月1日現在の法令にもとづく資料)。また、仲介をする不動産会社は、仲介手数料などの報酬とは別に「申込料」といった名目で報酬を受け取ることはできないとされています(前掲の国土交通省の資料)
  • 契約が成立しているかどうか:撤回の時点で契約が成立していなければ、預けたお金は預り金として扱われます。「申込みをした時点で契約は成立している」と説明された場合は、その根拠になる書面を確認し、判断に迷えば相談窓口を利用してください
  • 預けたお金を何に充てる合意か:契約が成立しても、預り金が自動的に手付金になるわけではありません。手付金や代金の一部に充てるのか、いったん返して改めて手付金を支払うのかは、当事者の合意と、その内容を記した書面によります。どちらの扱いになるのかを、預ける前に確認しておきます

書面に「返金しない」とあれば有効、というわけではない

預り証や申込書を確認する目的は、受け取った人、名目、金額、預けた日を記録として残すことです。書面に「撤回しても返金しない」といった記載があっても、宅地建物取引業者が受け取った預り金について、申込みの撤回の際に返還を拒むことが認められるわけではありません。

そうした記載がある場合は、預ける前に説明を求め、納得できなければ預けないことも選択肢です。判断に迷う場合は、その不動産会社に免許を与えている都道府県や国土交通省の地方整備局などの宅地建物取引業の相談窓口に相談できます。

預ける前に確認すること

  • 誰が受け取るのか(仲介の不動産会社か、売主である不動産会社か、宅地建物取引業者ではない売主か)
  • どんな名目のお金か。預り証が発行されるか
  • 申込みを撤回した場合に、いつ、どの方法で返金されるか
  • 契約に進んだ場合に、手付金などに充てるのか、いったん返すのか

希望の家が建つか、申込み前に住宅会社へ確認すること

土地を買う目的が注文住宅であれば、申込みの前に、住宅会社にその土地の資料を見てもらいます。土地の資料だけでは、希望する広さの家と駐車スペースが入るか、建物以外にどんな工事が必要になりそうかまでは判断しにくいためです。

販売図面、測量図(ある場合)、道路や上下水道の資料など、手元にある資料をそのまま渡し、主に次の点を見てもらいます。

  • 建物と駐車スペースの配置の案
  • 法令上の制限や土地の形によって、入らない要望があるか
  • 造成・引き込み・地盤改良など、建物以外の工事が必要になりそうか
  • 工事車両が入れるか
  • 土地の引き渡しから着工・入居までのスケジュール

住宅会社がまだ決まっていない場合でも、土地の資料を持って相談できる会社を探しておくと、この確認を申込みの前に済ませやすくなります。住宅会社の比べ方は、住宅会社の選び方|見積の比べ方・提案の見方と担当者への質問例で解説しています。

販売図面に「建築条件付き」と書かれた土地は、建物を建てる会社や、建築の請負契約を結ぶ期限が決められています(意味は注文住宅の土地探しの流れのステップ2で説明しています)。建築条件付きの土地では、申込みの前に、指定される建築会社、請負契約を結ぶ期限、プランと予算を協議できる期間、請負契約が成立しなかった場合に土地の契約と支払ったお金がどう扱われるかを確認しておきます。

土地代以外の費用と、まだ決まっていない見積

申込価格を決めるときは、土地代だけでなく、土地と建物を合わせた総額の上限から考えます。土地代以外にも、仲介手数料、登記の費用、固定資産税などの精算金のほか、土地の条件によっては測量・解体・造成・引き込み・地盤改良などの費用がかかることがあります。

申込みの時点では、これらがすべて確定していることは多くありません。そこで、費用を次の3つに分けて書き出します。

  • 金額が決まっているもの
  • 概算で出ているもの(いつ確定するかを聞く)
  • まだ見積もっていないもの(誰に見積を頼むかを決める)

そのうえで、未確定の費用が増えて総額が上限を超えた場合にどうするか(予備費で吸収する、価格の相談材料にする、見送る)を、申込みの前に家族で決めておきます。この線引きがあると、申込み後に確認の結果を聞いたときに、落ち着いて判断できます。

費用の種類と支払う時期は注文住宅の諸費用は何にかかる?内訳・支払う時期と担当者への質問例、予算の上限の決め方と住宅ローンの事前審査の時期は注文住宅の資金計画は何から?予算を決める6ステップと質問例で整理しています。

未確認事項は「誰が・いつまでに・結果で何が変わるか」で整理する

未確認の項目が残ったまま申込むときは、項目ごとに、確認する人、期限、結果によって変わることをはっきりさせておきます。

次の表は、整理の仕方を示すために作った説明用の見本です。実在の土地・取引の内容ではありません。

未確認のこと確認する人いつまでに結果によって変わること
前面道路の種類不動産会社(役所の資料で確認)売主の回答が来るまで建てられる条件、使える敷地の広さ
境界標の一部が見当たらない売主側(測量の手配)引き渡しまで(契約書に書く)引き渡しの条件、測量費用の負担
水道管の敷地内への引き込み不動産会社・水道の窓口契約の前引き込み工事の要否と費用
希望の間取りと駐車2台が入るか住宅会社契約の前建物の大きさ、総額
地盤の状態住宅会社(調査できる時期を確認)調査の時期による地盤改良の要否と費用

回答を受けたら、「誰が、何の資料で確認したか」を書き足しておきます。口頭で「たぶん大丈夫です」と言われた項目は、資料で確認できるまでは未確認のまま残しておきます。

契約の時点で残る項目は、契約書でどう扱われるか(引き渡しまでに誰が行うか、期日までに終わらなかったらどうなるか)を確認します。読み方は、売買契約書の確認ポイントの「契約の時点で『決まっていること』と『まだ決まっていないこと』はどう見分ける?」で解説しています。

担当者への質問と、回答を受けたあとに確認すること

申込みの前に聞いておきたい質問を、相手ごとにまとめました。申込金について聞くことは、前の「預ける前に確認すること」を使ってください。

不動産会社へ

担当者への質問回答を受けたあとに確認すること
「この申込書を出したあと、売主さんへの伝わり方と、契約日が決まるまでの流れを教えてください」回答までの日数の目安と、契約予定日を控える。「申込みをしたら契約と同じ」という趣旨の説明があれば、根拠になる書面を確認する
「この申込書の有効期限は、どういう意味ですか。期限内に取りやめたい場合はどうなりますか?」申込書の文言と説明が合っているか。撤回できないという趣旨の文言がないか
「ローン特約や、測量・解体についての希望を、申込書に書いておくことはできますか?」書いた条件が売主にどう伝わり、回答がどの形(書面・口頭)で来るか。受け入れられた条件が、契約書のどこに入る予定か
「この土地について、売主さん側でまだ確認中のことや、引き渡しまでに行う予定のことはありますか?」誰が、いつまでに行うか。契約書に書かれる予定か
「契約予定日はいつ頃を考えていますか。住宅会社の確認が終わらない場合、日程の相談はできますか?」相談できない場合に、確認が終わるまで申込みを待つか、見送るかを判断する
「ほかに検討している方がいる場合、申込みの順番や条件はどのように扱われますか?」どの申込みと進めるかは売主が判断すること。急ぐ理由が具体的に説明されているか
「この取引は仲介ですか、売主さんから直接の購入ですか。仲介の場合、媒介契約を結ぶ時期と仲介手数料を教えてください」媒介契約書で、仲介手数料の額と支払いの時期を確認する

住宅会社へ

担当者への質問回答を受けたあとに確認すること
「この土地の資料で、希望している広さの家と駐車スペースは入りますか。配置の案を見せてもらえますか?」入らない要望とその理由。案の前提にした条件
「この土地で、建物以外にかかりそうな工事はありますか。金額はいつ分かりますか?」概算か未確定か。資金計画表に入っているか
「この土地の場合の、土地の引き渡しから入居までのスケジュールを出してもらえますか?」引き渡しの希望時期、住宅ローン、今の住まいの予定とかみ合うか

金融機関へ

担当者への質問回答を受けたあとに確認すること
「土地と建物のこの計画で、事前審査を受けられますか。申込みや契約の前にそろえる書類を教えてください」事前審査の結果が出るまでの日数と、本審査の時期の見込み

「ほかにも検討している方がいます」と言われたときの受け止め方は、不動産会社の選び方の「担当者の案内をどう受け止めるか」で整理しています。不動産会社には、正当な理由なく、契約するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒むことも禁じられています(宅地建物取引業法施行規則第16条の11第1号ロ)。

回答があいまいだったときの聞き直し方や、答えを資料で確かめる方法は、住宅会社への質問は何を聞く?不動産会社にも使える段階別の代表質問と回答の見方で解説しています。

購入申込み前のチェックリスト

申込書を出す前の確認用です。購入するかどうかを判定する表ではなく、確認漏れを減らすための整理用として使ってください。

区分確認すること
申込みの扱い□ 申込書を出したあとの流れを聞いた □ 申込書に「承諾で契約成立」「撤回できない」などの文言がないか読んだ □ 有効期限の意味を確認した
お金□ 申込金の有無を確認した □ 必要な場合、受け取る人の立場・名目・返金の方法を確認した □ 預り証を受け取る段取りをした
申込書の条件□ 価格・契約予定日・引き渡しの時期を書いた □ ローン特約・測量・解体などの希望条件を書いた □ 控えを残した
先送りしないこと□ 希望の家と駐車スペースが入るかを住宅会社に見てもらった □ 道路と権利関係に大きな問題がないかを確認した □ 追加費用を含めた総額が上限に収まる見込みかを確認し、未確定の費用は見積の前提と予算の余裕を確認した
土地の資料□ 販売図面・登記事項証明書・公図・地積測量図・道路・上下水道・災害の想定について、確認できたものとまだのものを分けた
総額□ 土地代以外の費用を、確定・概算・未見積に分けた □ 総額が上限を超えたときの対応を家族で決めた
住宅ローン□ 事前審査の時期と、ローン特約を希望することを担当者に伝えた
未確認事項□ 誰が・いつまでに確認するか、結果で何が変わるかを書き出した □ 契約予定日までに間に合わない場合の対応(日程の相談・見送り)を決めた

よくある質問

申込みを出したあとに、価格や条件を変えたくなったら?

契約の前であれば相談することはできますが、売主から見ると前提が変わるため、受け入れられるとは限りません。確認の結果、追加の工事が必要と分かったなど、理由を具体的に担当者に伝えて相談します。条件を変えたことは、あとで食い違いにならないよう、メールなど記録が残る形でも伝えておきます。

有効期限内に、売主から回答がない場合は?

期限の意味は申込書によって異なるため、まず担当者に状況を確認します。期限が過ぎたあとも検討を続けるなら、改めて申込みの意思を伝えるか、期限の延長を相談します。そのあいだに別の土地を検討する場合は、今の申込みの扱いを担当者に伝えておくと、行き違いを減らせます。

まとめ

購入申込書を出しただけで売買契約が成立したと扱われることは、通常はありません。ただし申込書は契約条件の出発点になる書面で、文言や交渉の進み方によって扱いが変わることもあります。申込みの扱いとお金、申込書に書く条件、購入判断を左右することの確認状況をそろえてから出すと、申込み後の調整を落ち着いて進められます。

まず取りかかるとすれば、気になっている土地について、未確認の項目を書き出し、「希望の家が建つか」「道路や権利関係に大きな問題がないか」「総額が上限に収まるか」に関わるものに印を付けてみてください。印の付いた項目のうち、誰がいつまでに確認するか決まっていないものが、申込みの前に担当者へ聞くことになります。

次に読みたい記事は、次のとおりです。

この記事は、不動産会社での実務経験と、民法・宅地建物取引業法・同法施行規則の条文(e-Gov法令検索)、国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(令和8年4月1日施行版)、埼玉県・全日本不動産協会の公開資料(いずれも2026年10月20日に参照)をもとに執筆しています。申込みや申込金の扱いは、取引の内容や書面によって異なります。実際の取引では担当者に確認し、判断に迷う場合は弁護士などの専門家や、宅地建物取引業の相談窓口にご相談ください。

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